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ウクライナと米雇用統計の綱引き

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  • 2014/05/03
  • 米雇用統計の好材料とウクライナ緊迫化の悪材料で、債券が買われ株、ドルは圧迫された。
  • NY債券=利回り低下 ウクライナ情勢が再び緊迫化で逃避買い(06:01) 
  • NY為替=力強い米雇用統計も、ウクライナ情勢が圧迫(06:25)
  • NY株式=続落 力強い米雇用統計もウクライナ情勢緊迫化が嫌気(05:54)
  • 米債券が買われることは金利低下を意味するので、為替ではドル売り円・フラン買いにつながる。金利低下で株は買われる。そのような典型的な流れ。
  • 一方でFRBによる早期利上げ観測で債券は売られやすい流れもある。

    • ウクライナ情勢
    •  ウクライナ政府は東部にいる親ロシア分離派から都市を奪回するため行動を起こした。国境付近で武力を増強するロシアのプーチン大統領はウクライナに部隊の撤収を求めたが、同国は屈しない態度を示した。内務省によれば、ウクライナ軍のヘリコプター2機が撃墜され操縦士2人が死亡した。  オバマ米大統領は、ドイツのメルケル首相と臨んだ共同記者会見で、プーチン大統領が緊張緩和に向けて行動しなければ「直ちに動く」用意があると述べた。 ウクライナ政権が東部で行政庁舎などを占拠する親ロシア派住民を攻撃したことに対して、ロシアが国連安保理に緊急会合開催を求めている。一方でオバマ米大統領とメルケル独首相がホワイトハウスで会談しており、ロシアに一層の圧力をかける具体策を協議していた。



    • 米雇用統計
    •  非農業部門雇用者数(NFP)が28.8万人増と大幅な増加を示している。寒波の影響からの反動が4月に入って出た可能性も高く、やや出来過ぎた数字とも思われるが、この先も20万人増のペースが確保できそうな力強さは感じられる。


    • 失業率
    •  6.3%と、前回(6.7%)から急速に改善していた。こちらは職探しを諦めた労働者が増加した部分が大きいものと思われ、労働参加率は大きく低下している。特に19歳から24歳の若者の職探しを諦めた数が多くを占めているようだが、来月には反動が出て、失業率が悪化する可能性を指摘する向きも見られた。
































































































    • 為替
    •  ドル円は米雇用統計発表直後に103.00付近に上昇したが、米株や米国債利回りの下げと伴に、直ぐに押し戻されている。上値は重いが、ファンダメンタルズ的には下押しする理由も無く、102円台はかろじて維持されている状況。 

    •  ルーブルは大幅安。
















    • 為替
    •  ユーロドルも米雇用統計発表直後に1.3815近辺まで下落したものの、急速にその下げを解消する展開となった。1.3800に接近すると実需買いも出てくるようだが、一方で1.39を試す動きも見られていない。来週はECB理事会が予定されている。市場の追加緩和期待は根強いものの、実施するとしても早くて6月との見方が圧倒的で、来週の追加緩和はないものと見られる。ただし、ドラギ総裁が理事会後の会見で、追加緩和の可能性を強く示唆してくるようであれば、ユーロは反応する可能性もあり、ユーロの上値を追いにくい雰囲気もあるようだ。