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[FT]新興国で相場急落

(2013年6月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 新興国市場で11日、通貨、株式、債券が急落した。投資家の間で、米連邦準備理事会(FRB)が長期金利引き下げを目的とした証券購入を抑制するとの懸念が高まったためだ。
 FRBをはじめとする中央銀行は金融危機以降、金融市場に12兆ドルを追加供給したが、その世界的な超緩和策の恩恵を受けたのが新興国だった。 だが、中国から広がる景気減速の兆候や、FRBが月850億ドルの証券購入ペースを落とすとの見方が、新興国市場での急激な相場調整の引き金となった。
 南アフリカランドやブラジルレアルは11日、対ドルで4年ぶりの安値に下落し、インドルピーは過去最安値を付けた。フィリピンやメキシコなど比較的堅調な国も相次ぐ売りに見舞われた。一部の中央銀行は通貨下落を食い止めるために市場介入を始めている。
 FTSE新興国市場指数は1.7%下落し、5月に付けた高値からの下落率は10%となった。4大新興国市場の1つであるブラジルの株価は現地時間昼までに2.6%下落した。今年の最高値からの下落率は20%に達し、弱気相場の領域に入った。
 新興国市場の債券は国際通貨建ても現地通貨建ても低迷し、資金調達コストが高まった。
 米JPモルガン・アセット・マネジメントは「動きが激しく行き過ぎだ」と指摘する。

 日銀が追加金融緩和策を見送り、投資家が低金利の円を借りてリスク資産に投資する「円キャリートレード」を巻き戻す中、円は11日に2.9%上昇した。

■投資家が大量解約
 仏ソシエテ・ジェネラルは、中央銀行の資金が新興国市場のバブルをあおったことは間違いなく、投資家がFRBの政策変更を織り込むにつれバブルが崩壊しつつあると指摘。「これは一時的な急落ではない」と話す。
 新興国市場ファンドは投資家の解約でも打撃を受けている国際的な債券を中心に運用するファンドは先週、2007年半ば以来最大の解約に直面した。新興国株ファンドは11年以来最大の解約に見舞われた。
 多くの運用担当者は買い場だと強調するが、ほとんどが投資を減らしている。
 スイスのプライベートバンクは「相場変動の激しさを考えると、当面は傍観するのがベスト」と話していた。